床・壁の酸洗いや、エフロ(白華)の除去など、現場で「酸性洗剤」を使用するケースは、少なくありません。今回は、使用頻度が高い「酸性洗剤」にスポットを当て腐食性の違いを比較してみました。

試験を行うのは、4種類の酸性溶液
塩酸5%溶液・AD-2(エフロ用)・エフロスカット・他社品エフロ除去剤。
錆びた古釘と未使用の釘を、この4種類の溶液に浸し腐食の比較をしてみました。



投入開始から1分後の状態。溶液に浸された全ての釘から、発泡等の変化がある中、他社品エフロ取りから「錆色」が溶け出してきています。




投入開始から4分後の状態。テスト開始すぐに変化があった他社品エフロ取りからは、更に「錆色」が溶け出しています。

錆に対する反応・分解がとても早いですね。



投入開始から30分後の状態。
AD-2・エフロスカットも、錆が溶け出し「錆色」になっています。また、塩酸5%溶液の未使用釘の発泡が、他と比較し多くなっていますね。



投入開始から8時間後の状態。全ての試験体で、古釘周囲の錆が剥がれ落ちています。未使用の釘に関しては、後ほど確認をしました。



更に投入開始から20時間放置してみました。

それぞれの状態を拡大して見てみましょう


塩酸5%溶液

古釘の周囲を覆っていた、錆が剥がれ「鉄芯」が露出しています。


AD-2 石材用エフロ除去剤


こちらも同じように古釘の周囲を覆っていた、錆が剥がれ「鉄芯」が露出しています。


エフロスカット

こちらも古釘の周囲を覆っていた、錆が剥がれ「鉄芯」が露出しています。

他社品エフロ取り

溶液が完全に錆色になり、はっきりと中の釘が確認できません。反応・分解能力の高さが目立ちます。


最後に、釘の状態を確認してみます。

塩酸5%溶液・AD-2・エフロスカットは、古釘周囲の錆を剥がし、内部の鉄部が完全に露出しました。
他社品エフロ取りは、内部の鉄部まで反応し形もままならない状態です。


未使用の釘は、どうなったでしょうか。

塩酸5%溶液<
釘の色が変色し、釘両端部分の腐食が目立ちます。


AD-2 エフロ除去剤

釘の色(銀色)が鈍くなっています。腐食による欠損はありません。


エフロスカット
こちらも釘の色が鈍くなっていますが、腐食による欠損はありません。


他社品エフロ取り
腐食により溶液中で釘本体が粉状になり、溶液中から取り出す事ができませんでした。


現場では工期や時間がない場合があり、短時間で確実に汚れやトラブルを解決しなければならないケースが多々あります。そうでない場合でも、少しでも早く作業を終わらせたいですよね。反応が強い洗剤を使用すれば、短時間で方がつくかもしれません。

しかしながら、石やその周辺に与える影響も考えなければなりません。


また、石には吸水性がある為、当然ながら洗剤の成分も石の内部に吸い込まれます。洗浄を行った際に、水洗いをしますが石の中の洗剤分まで完全に取る事は不可能です。作業後・引き渡し後、変色を引き起こす要因にもなりかねませんね。また、洗剤による変色などは、元に戻すのが大変なんです。


しっかりと洗い、きっちりと現場をおさめる。石や周囲の素材はもちろん、作業する方にも配慮した洗剤の選択をしたいと思います。


※テストのため、錆びた釘を使用しましたが、錆取りは錆び取り用洗剤を使用して下さい。」